精密根管治療
- Q.保険の治療では治らないのですか?
- A.保険診療でも最善を尽くしますが、制度上の制限(使い捨て器具の使用不可、ラバーダムの不採用など)により、どうしても再発率が高くなる傾向があります。
統計的には、保険診療の成功率は50%程度と言われることもありますが、精密根管治療では90%以上の成功率を目指せます。 - Q.治療には何回くらい通う必要がありますか?
- A.症例によりますが、精密根管治療の場合は1回あたりの時間を長く(60〜90分)確保するため、通院回数を2〜3回程度と少なく抑えることができます。
- Q.MTAセメントを使うと何が良いのですか?
- A.最大の利点は「封鎖性」です。
従来の材料では時間が経つとわずかな隙間ができることがありましたが、MTAは固まる際に膨張するため隙間を作りません。
また、骨の再生を促す効果があるため、重度の炎症がある歯を残すための大きな武器となります。 - Q.被せ物の下で根の病気が再発しました。また治療できますか?
- A.はい、可能です。
被せ物を外し、マイクロスコープで内部を確認した上で再治療を行います。
以前の治療で取り残された汚れや、見落とされていた根管を清掃することで、多くの場合で改善が見込めます。 - Q.根の治療をした後の「ファイバーコア」とは何ですか?
- A.歯の土台(柱)のことです。
金属の柱は硬すぎて、噛んだ時の衝撃で自分の歯の根を割ってしまう(歯根破折)リスクがあります。
グラスファイバー製の柱は、歯に近いしなりを持つため、大切な根っこが割れるのを防いでくれます。 - Q.保険の治療でもマイクロスコープを使ってくれるのですか?
- A.はい、当院では保険診療であっても、肉眼では確認が難しい複雑な箇所や、治療の成否を分ける重要な局面では、必要に応じてマイクロスコープを使用しています。
ただし、自費診療(精密根管治療)の場合は、「最初から最後まで、すべての工程」をマイクロスコープ下で行い、より微細な汚れの除去や、数ミクロン単位の精密な充填を約束する点が異なります。 - Q.自費の根管治療を受ければ、絶対に抜かずに済みますか?
- A.残念ながら、成功率100%を保証できる治療は存在しません。
しかし、MTAセメントやラバーダム、使い捨てのニッケルチタンファイルといった「最高水準の環境」を整えることで、保険診療の限界を超え、本来なら抜歯対象となるような歯を残せる可能性が極めて高くなるのは事実です。 - Q.根の治療をした後、なぜ「ファイバーコア」が良いのですか?
- A.歯の寿命を左右する「歯根破折(しこんはせつ)」を防ぐためです。
保険診療で使われる金属の土台(メタルコア)は硬すぎて、強い力がかかった時にクサビのように自分の根っこを割り、抜歯に追い込んでしまうことがあります。
ファイバーコアは歯に近い「しなり」があるため、衝撃を吸収し、大切な根っこを割れにくくしてくれます。 - Q.治療中にラバーダムをすると、苦しくありませんか?
- A.鼻呼吸ができる方であれば、苦しさを感じることはほとんどありません。
むしろ、治療中に薬液が喉に流れたり、お口の中に水が溜まったりする不快感がないため、「いつもの治療より楽だった」とおっしゃる患者さまも多いです。
何より、唾液中の細菌が根の中に入るのを防ぐためには、欠かせない処置です。 - Q.治療期間中、仮の蓋が取れてしまったらどうすればいいですか?
- A.すぐにご連絡ください。
根管治療中は、根の中に細菌を入れないことが最も重要です。
蓋が取れたまま放置すると、せっかく消毒した内部が唾液で再汚染されてしまいます。
当院では、隙間ができにくく封鎖性の高い仮蓋を使用していますが、万が一外れた場合は早急に対応いたします。 - Q.根の先に大きな「膿の袋(根尖病巣)」があっても治りますか?
- A.多くのケースで、精密な根管治療によって膿の袋は縮小・消失し、改善が見込めます。
通常の治療で反応が悪い場合でも、口腔外科の知見を活かした「歯根端切除術」などを組み合わせることで、抜歯を回避できる可能性が十分にあります。
抜歯を宣告された歯を救う、精密な「基礎工事」
「歯の神経を抜かなければならないと言われた」
「根の治療を何度も繰り返しているが、なかなか治らない」
「他院で『この歯はもう残せない、抜くしかない』と宣告された」
横浜市金沢区、金沢文庫の桜井歯科医院には、このような切実な悩みを持つ患者さまが数多く来院されます。
歯を建物に例えるなら、根管治療は「基礎工事」です。
どれほど高価で美しい被せ物をしても、その土台となる根っこに細菌が残っていれば、やがて再発し、建物(歯)ごと崩れてしまいます。
当院では、口腔外科医としての専門知識と、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を駆使した精密な処置により、一本でも多くの歯を残すための「精密根管治療」を行っています。
保険診療であっても手を抜くことはありません
桜井歯科医院では、保険診療であっても、費用に応じてマイクロスコープを活用し、精密な根管治療を行っております。
決して手を抜くことはありません。今ある制度の中で、最大限に質の高い治療を提供することを誇りとしています。
しかし、もし「自分の大切な歯を、もう二度と再発させたくない」「他院で抜くと言われたけれど、どうしても残したい」と強く願われるのであれば、保険という制約を取り払い、世界基準の器具と材料を惜しみなく投入できる「精密根管治療」が、あなたの歯にとって最後の、そして最善の希望になります。
どちらの治療を選ぶべきか迷われている方も、まずは検査結果をもとに、それぞれの見通しを正直にお話しさせていただきます。
根管治療における「保険」と「自費」の決定的な違い
当院では保険診療での根管治療も行っておりますが、より確実に、そして再発リスクを極限まで抑えて歯を残したいと願う患者さまには、「自費(精密)根管治療」をご提案しています。
日本の保険制度における根管治療は、実は世界的に見ても非常に特殊で、使用できる器具や時間に厳しい制限があります。
一方、自費診療では、歯を救うために本当に必要な「材料・時間・技術」のすべてを注ぎ込むことができます。
保険と自費の比較表
| 項目 | 保険診療 | 自費(精密)根管治療 |
|---|---|---|
マイクロスコープ |
必要に応じて使用 |
常に100%使用 |
無菌状態の確保 |
簡易的な防湿 |
ラバーダム防湿を必ず実施 |
治療器具(ファイル) |
ステンレス製・ニッケルチタン(再利用) |
ニッケルチタン(新品使い捨て) |
根管充填剤 |
ガッタパーチャ(ゴム状) |
MTAセメント(殺菌・封鎖性◎) |
歯を残すための「4つの神器」と「高度な手技」
自費の根管治療では、以下の4つを駆使することで、保険診療では残せなかった歯を救える可能性が飛躍的に高まります。
① マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)
根管(歯の神経の管)は髪の毛ほどの細さで、しかも複雑に枝分かれしています。
肉眼で行う治療は「手探り」に近いものがありますが、マイクロスコープで視野を最大数十倍に拡大することで、隠れた根管や汚れを確実に見つけ出し、精密に除去します。
② ラバーダム防湿(無菌環境の徹底)
根管治療の最大の敵は、唾液に含まれる「細菌」です。
治療中に唾液が入ると、せっかく消毒しても再感染してしまいます。
自費診療ではお口にゴムのシート(ラバーダム)をかけ、治療する歯だけを隔離して無菌状態で処置を行います。
これが成功率を分ける最大のポイントです。
③ ニッケルチタンファイル(使い捨て)
柔軟性に優れたニッケルチタン製の器具を使用します。
曲がった根管にもしなやかにフィットし、汚れを効率よく除去します。
自費診療では常に新品を使い捨て(シングルユース)にするため、器具の破折リスクや交差感染を徹底的に防ぎます。
④ MTAセメント(最新の根管充填剤)
これまでの治療ではゴム状の材料で蓋をしていましたが、自費診療ではMTAセメントを使用します。
強アルカリ性による高い殺菌効果と、膨張しながら固まる優れた封鎖性を持ち、細菌の再侵入を完璧に近い形でブロックします。
また、生体親和性が高く、根の先に膿が溜まっている症例でも治癒を促進します。
難症例への対応:外科的歯内療法
当院は口腔外科を専門としているため、通常の根管治療では治らない難しい症例に対しても、外科的なアプローチで歯を残す努力をします。
歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
通常の根管治療では届かない「根の先」の病巣を直接取り除く
何度も根の治療を繰り返しているのに痛みが引かない、あるいは歯ぐきに「フィステル(おできのような膿の出口)」が繰り返しできてしまう……。
このような場合、根の先端にある複雑な枝分かれ部分に細菌が潜んでいたり、根の先に頑固な膿の袋(嚢胞)ができていたりすることが原因です。
通常の治療は、歯の頭から器具を入れて掃除をしますが、この方法では物理的に届かない領域があります。
そこで行われるのが「歯根端切除術」です。
この処置では、歯ぐき側からわずかに切開を行い、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で確認しながら、病巣と細菌の住処となっている根の先端部分を直接切り取ります。
さらに、切り取った断面をMTAセメントなどの生体親和性の高い材料で隙間なく封鎖することで、細菌の再感染を根底から断ち切ります。
「もう抜くしかない」と言われた歯でも、この外科的アプローチによって、歯を抜かずに保存できる可能性が劇的に高まります。
ヘミセクション/トライセクション(分割抜歯)
ダメになった「一部」だけを切り離し、残った「健康な根」を活かす
奥歯には複数の根っこ(足)があります。
例えば、下の奥歯なら2本、上の奥歯なら3本の根っこで支えられています。
「一本の歯がダメになった」と言われても、実は「そのうちの一本の根っこだけが悪くなっていて、他の根っこはまだ健康である」というケースは少なくありません。
これまでの歯科治療では、どこか一部に深い虫歯や根の破折があれば、歯ごと丸ごと抜いてしまうのが一般的でした。
しかし、それは非常にもったいないことです。
そこで当院が行うのが、「ヘミセクション(2根のうち1本を抜く)」や「トライセクション(3根のうち1本を抜く)」という分割抜歯の手法です。
この治療では、ダメージを受けた根っこだけを外科的に切り離して取り除き、残った健全な根っこをしっかりと活用します。
残った根っこを土台として被せ物を作ることで、インプラントや入れ歯に頼ることなく、「自分の歯」として噛む機能を維持することができます。
院長より:あなたの歯の「寿命」を決める、最後の一手
「抜いてインプラントにしましょう」と言うのは簡単です。
しかし、どんなに優れた人工物も、ご自身の天然の歯に勝るものはありません。
根管治療は地味で、手間も時間もかかる治療です。
しかし、ここを妥協せずにやり抜くかどうかが、その歯が「あと数年で抜ける歯」になるか「一生使い続けられる歯」になるかの分かれ道になります。
私は口腔外科医として、数多くの抜歯を行ってきました。
だからこそ、抜かなくて済む歯を救うことの価値を誰よりも理解しています。
「諦めたくない」というあなたの想いに、私たちは最新の技術と誠意でお応えします。
まずは一度、あなたの歯の可能性を診せてください。
根管治療に関するよくある質問(Q&A)
